【清州】古い料理書から生まれたカフェ「1913청주부엌(チョンジュブオク)」で100年前の味に出会う

    清州(チョンジュ)の繁華街、성안길(ソンアンギル)からそう遠くない、우암산(ウアムサン)の麓に近い静かな住宅街に、ちょっと変わった成り立ちを持つカフェがあります。

    その名も「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」。

    「1913」という数字は、実は約100年以上前に書かれた1冊の料理書の刊行年から取られています。伝統菓子と伝統茶をゆっくり味わえる清州でも珍しいタイプのカフェです。

    今日はそんな1913청주부엌の魅力を、メニューやお店の背景も交えてご紹介します。

    目次

    1913청주부엌ってどんなお店?

    韓国・清州のカフェ「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」の外観

    このカフェのユニークなところは、単なるおしゃれな伝統菓子カフェではないところ。実はひとつの古料理書とその家族から始まる物語が潜んでいるんです。

    代表の강신혜(カン・シネ)さんは、長年韓国の女性ファッション誌の世界で働いてきた「雑誌畑」出身の人物。

    雑誌の仕事を一区切りしていた時期に、高祖母が書き残し、忠清北道有形文化財381号に指定されている料理書『반찬등속(パンチャンドゥンソク)』にまつわる仕事をしてみてはと、お父様に勧められたのがきっかけだったそうです。

    韓国・清州のカフェ「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」のInstagramの写真より
    1913청주부엌のインスタより引用。手前が料理書『반찬등속(パンチャンドゥンソク)』。
    後ろはオーナー강신혜(カン・シネ)さんの著作『반찬등속, 할머니 말씀대로 한과 하는 이야기(반찬등속,おばあちゃんの言葉通りに作る韓菓の話)』

    そこから本格的に資料を集めて、その研究に打ち込み、2022年・2024年に반찬등속にまつわる書籍を2冊出版。その延長線上でオープンしたのが、この1913청주부엌なのだとか。

    「命をつなぎ、世代をつないでいく場所が台所だから」という思いのもと、100年前の知恵を現代の言葉で伝える場所なのがこのお店なんです。

    1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)の店の様子

    韓国・清州のカフェ「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」の店内1

    店内に入ると、まず感じるのが過去と現代の穏やかなマッチング。

    内装は清州出身の画家・尹亨根(ユン・ヒョングン)氏の作品から色のインスピレーションを得ているそうで、漆塗りの韓紙を使った建具などモダンさと伝統がほどよく混ざり合っています。

    韓国・清州のカフェ「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」の店内2
    韓国・清州のカフェ「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」の店内3

    特に圧巻なのが、カフェのキッチンの一角。

    韓国・清州のカフェ「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」の店内キッチンの様子

    韓国伝統の鉄釜や陶磁器などがセンスよく並べられ、それだけでもどこか特別な空間に招かれたと思わせてくれるところ。

    築40年の建物だからこそ持つどこか懐かしい空気感もあり、じっくり腰を据えて過ごしたくなる雰囲気です。

    1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)おすすめメニュー

    화병(ファビョン/花餅)

    1913청주부엌のインスタより引用した代表メニューの화병(ファビョン/花餅)
    1913청주부엌のインスタより引用

    『반찬등속』に記されたレシピを再現したという、ここのカフェでしか食べられない看板メニュー。
    細長く伸ばした餅に青豆粉をまぶした인절미(インジョルミ)の上に、薄焼き卵と細切り唐辛子を花びらのように飾りつけたお餅です。鮮やかな黄色が引き立ち、見た目にも華やか。あっさりとした味わいの中に、香ばしさが感じられます。

    두텁떡(トゥトプトク)

    韓国・清州のカフェ「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」のデザート:左)두텁떡(トゥトプトク)、右)季節限定の약편(ヤクピョン)
    左)두텁떡(トゥトプトク)、右)季節限定の약편(ヤクピョン)

    もち米にナッツ類を加え、はちみつと醤油など複数の具材を使って仕上げた伝統餅。화병(ファビョン)と並ぶ定番メニューです。

    수정과(スジョンガ)

    1913청주부엌のインスタより引用したカフェのメニュー수정과(スジョンガ)
    1913청주부엌のインスタより引用

    干し柿を使った韓国の伝統的な飲み物を、かき氷のようなスタイルで提供。見た目にも涼しげで、夏場に人気のメニューです。

    팥라떼(小豆ラテ)

    1913청주부엌のインスタより引用したカフェのメニュー팥라떼(小豆ラテ)
    1913청주부엌のインスタより引用

    伝統菓子カフェらしい、手作リの小豆のあんこを使ったやさしい甘さのラテです。

    このほか、쑥버무리(ヨモギ蒸しパン)などその季節ごとの限定メニューが登場することもあるようです。
    飲み物は伝統茶だけでなくカフェ定番のアメリカーノなどもあり、価格は4,500ウォン。選べる選択肢が広いのも嬉しいですね。

    1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)へ行ってきました

    韓国・清州のカフェ「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」のデザート:左)두텁떡(トゥトプトク)、右)季節限定の약편(ヤクピョン)、コーヒー

    ということで、さっそく友人と一緒にカフェを訪れてみました。

    あいにく화병(ファビョン/花餅)は売り切れとのことで、두텁떡(トゥトプトク)と、このときの限定のお餅である약편(ヤクピョン)を頂きました。

    びっくりしたのはトゥトプトクの中にさまざまな具材が練り込まれていて、甘さ控えめでありながら口の中にとろけるような上品さを感じられたこと。くるみなどのナッツ類の他に、ゆずの味もほのかに感じられて美味しかったです。

    もう一つのお餅、약편(ヤクピョン)は餅米粉に韓国の伝統酒であるマッコリとナツメを加えて蒸しあげたお餅。トッピングには、なつめや栗の千切り、석이버섯(ソギボソッ/石茸)というキノコの薄切りが乗っています。ホロホロとしたお餅はナツメ特有の甘さが口の中に広がり、これまた他では食べたことのないような味わいです。

    お餅を囲んでおしゃべりをしている間、カフェの庭に一匹の白猫が遊びに来ていました。おいしいお餅と、傍らにはコーヒー1杯。こんな日常の風景もなんだか愛おしく感じられる瞬間でした。

    100年前の味わいとともにゆっくり過ごすカフェ

    韓国・清州のカフェ「1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)」の外観2

    にぎやかな繁華街のカフェとはまた違う、住宅街にひっそりと佇む1913청주부엌。

    『반찬등속(パンチャンドゥンソク)』のレシピを再現したという、他では体験できない味を今の世に伝えている代表の想いが感じられるお店でした。

    ゆっくり座って清州独自の伝統を味わいたくなったらぜひ立ち寄ってみてほしい一軒です。

    1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)へのアクセス

    忠清北道教育庁環境教育センターから一歩奥に入った住宅街の一角にあります。忠清北道教育庁環境教育センターの横の道を上がっていくと、スアムゴル(수암골)のカフェ通りに行くことも可能です。
    駐車場はありませんので市内の駐車場で駐車して歩いてくるか、近くで路駐することになります。

    訪問前にインスタグラム「@1913chongjukitchen」などで最新情報をチェックしてみてください。

      1913청주부엌(イルグイルサム・チョンジュブオク)
    住所:  충북 청주시 상당구 우암산로29번길 32 1층
    営業時間: 火〜金曜日 12:00~19:00 , 週末 12:00~18:00 月曜定休日
    電話番号:0507-1449-4656
    Naver地図リンク:https://naver.me/GhbmfNC9
    https://www.instagram.com/1913chongjukitchen

    引用・参考文献

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